【詳細】
比率:男1
現代・日常・ラブストーリー
時間:約5分
【あらすじ】
七月七日、七夕の日。
遠方にいる彼女の元に行くために新幹線を待つ貴方。
彼女のことを想うと、愛おしい気持ちが溢れ出して……
【登場人物】
俺:遠距離恋愛中の彼女がいる
*一人称の変更可
●駅のホーム・夕方
新幹線のホームにて電車を待ちながら
俺:
(スマホを見て)電車はこれに乗って、乗り換えは……これだな
あとは、この仕事は新幹線の中で片付けるとして……
頼むから、急な仕事は振って沸いて来ないでくれよ!
夕方の新幹線のホーム
平日ということもあり、周りには仕事終わりであろう姿の人々が大勢いる
皆早く帰りたくてそわそわして見えるのは、俺がそうだからだろうか
どうしても早く会いたくて、会社帰りにそのまま新幹線に飛び乗った
目的地は彼女の暮らす町、そして、彼女の家
……どのくらいぶりだろう
きっと一年じゃ足りない
もっと長い期間、彼女には会えないでいた
「こないだ会ってから」なんて、日数を数えるととたんに寂しくなるからそれは途中で止めた
あんなご時世になって会えなくなって、やっと少し落ち着いたかと思ったら今度は仕事が増えて……
仕事が元のように出来るようになったことは嬉しいことだし、喜ばしいことだけど
俺が仕事を頑張る理由の彼女に会いに行けないなんて…
でも、忙しいのは皆一緒だし
皆で一緒にひたすらに仕事をしていた
かと思ったら、急に『一週間休みにするぞ!』宣言だもんな
うちの会社は本当に自由だよ
社長の一声で決まった一週間の休み宣言
まぁ、流石にみんなが一斉にってわけにはいかないから、リモートで仕事はすることになるだろうが
それでも俺にはありがたかった
このために、死ぬ気で仕事を回した
でも、彼女には「会いに行きたい」と連絡が出来ないでいた
もし、何か変更があって、結果会えなくなって、ぬか喜びをさせることになってしまったら
そもそも、俺の我儘で会いたいに行ってもいいのか?
でも、会いたい
ずっと頭の中で堂々巡りをしていた
そんな俺の肩を思いっきり押してくれたのは、『一週間休みにするぞ!』宣言をした社長だった
なんでも社長自身、七夕の日に特別な思い出があるらしく、今年こそは絶対にここを休みにしたいと思っていたらしい
悩んでいた俺に、豪快な笑いと共に「人生何があるか分からない。それは身をもって体験しただろう。であれば、このチャンスにお前を待ってくれている織姫に会いに行かなくてどうする!」と言ってくれた
確かにそうだよな
会いたくて、会える時間が出来て、彼女の元へ行ける手段があるなら、俺は行かなきゃだよな
やらない後悔よりも、やって後悔しなきゃだ
ここ数日を振り返っている俺の前に新幹線が滑り込んでくる
これに乗れば、彼女の元へと俺を連れていってくれる
会ったら最初に何をしようか。抱きしめようか。それとも、キスをしようか……
でも、その前に、ちゃんと言わないとな
彼女の顔を見て、『ありがとう』とありったけの想いを込めた『愛してる』を
―幕―
2021.07.06 ボイコネにて投稿
2022.07.04 加筆修正・HP投稿
お借りしている画像サイト様:フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)
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