【詳細】
比率:男1:女1
ラブストーリー・現代
時間:約5分
【あらすじ】
夜中に突然なった電話。
出てみると、聞こえたのは彼女からの助けを求める声でした。
【登場人物】
博人:(ひろと)
早希よりもちょっとだけ年上な男性。
少し意地悪。
早希:(さき)
博人の彼女。
ちょっとだけ甘え下手な意地っ張り。
早希:(絞り出すように)……助けて……
博人:あいつのその声を聞いた瞬間、今が何時かなんてどうでもよくて、車の鍵を片手に家を飛び出した
●早希の部屋・夜中
ソファでクッションを抱きしめ蹲る早希。
それを少し呆れた表情で見つめる博人。
博人:お前……
早希:……
博人:……このタイミングでなんで観たよ……
早希:……だって……
博人:だってじゃない。お前、こういうの苦手だろうが……
早希:……
博人:こうなるの目に見えてだろう
早希:……大丈夫だと思ったんだもん……
博人:(ため息)
早希:……っ……
博人:俺が来られなかったらどうするつもりだったんだよ?
早希:……一人で大丈夫だもん……
博人:俺に電話してきたのに?
早希:……大丈夫だもん……
博人:意地っ張り
早希:……
博人:ほれ、そこで一人で蹲ってないで、俺に言うことあるんじゃないの?
早希:……
博人:……帰ろうかな
早希:(顔を上げ)っ!
博人:やっと顔上げたな
早希:あ……
博人:やっぱり、平気じゃねぇじゃん
早希;そんなこと!
博人:(そっと頬に触れ)ここ跡が残ってるし、目、赤い
早希:……
博人:意地張ってないで、ほれ、おいで
早希:……
博人:(苦笑して)早希
早希:……
博人:ったく
博人、優しく早希を抱きしめる。
早希:あ……
博人:お前、意地っ張りすぎ。ちゃんと、引っ込みつかなくなる前に戻ってこいっての
早希:……
博人:ほれ、言うことは?
早希:……ごめんなさい……
博人:う~ん……違うなぁ
早希:え?
博人:そこは、ごめんなさいじゃなくて、ありがとうだろ?
早希:……ありがとう
博人:ん、よくできました
早希:子ども扱い……
博人:そりゃ、自分で無茶して、ほんでもって助け求めたのに意地っ張りしてた人は子どもでしょうが
早希:……
博人:実際、俺の方がちょっとだけお兄さんだしな
早希:……
博人:で?
早希:え?
博人:なんでこのタイミングでホラー映画なんて観ようとしたの? 苦手だろ?
早希:……って……
博人:ん?
早希:これぐらいのホラーも一人で見られないような奴はおこちゃまだって……
博人:誰に言われたの?
早希:同期に
博人:それって男?
早希:うん
博人:(ため息をついて)そいつ、まだまだガキだな
早希:え?
博人:苦手なものは苦手でいいんだよ。人間、全部が全部得意だったら一人で生きていけるだろ
早希:あ……
博人:ないものがあるから補い合える、ないものがあるから惹かれあうんじゃないのか
早希:……うん……
博人:ってなわけで、これから一人の時はホラー観るの禁止
早希:えぇ!
博人:苦手克服とか考えなくていいから
早希:そんな、少しくらい……
博人:だ~め
早希:なんで!
博人:なんでも
早希:苦手なもの少しでも減らしたいの!
博人:別にホラーを克服する必要ないでしょ
早希:だって! みんなにからかわれるから!
博人:そんなの言わせとけって
早希:やだ!
博人:あのなぁ……
早希:だって! 少しでも苦手を無くして、博人の傍に自信もって立っていたいんだもん!
博人:お前……
早希:あっ……
博人:(嬉しそうに微笑み)ありがとうな。でも……
博人、早希を引き寄せてキスをする。
博人:お前のその可愛い顔見られなくなるのは俺が嫌だから、やっぱり克服は禁止だ
―幕―
2023.05.26 HP投稿
Special Thanks:JUN様
0コメント