告白台詞


【詳細】

比率:男1:女1

現代・ラブストーリー

時間:約7分~10分


【あらすじ】

とあるカップルの日常です。

甘い言葉を囁かれてください!

……ただし、その後のことは……


【登場人物】

俊哉:(としや)

   20代。優菜の彼氏。


優菜:(ゆうな)

   20代。俊哉の彼女。



●優菜の部屋

   パソコンを真剣に見つめている優菜


優菜:へぇ……こんなのがいいんだ……?

俊哉:(後ろから覗き込んで)何が?

優菜:うわっ! なんだ、あがったの?

俊哉:うん、お先でした

優菜:ゆっくりお風呂浸かってくればいいのに

俊哉:普段からシャワー派だから

優菜:それでも。雨に濡れて帰ってきたんだから、ちゃんと身体温めなさいよ

俊哉:別に、シャワーだけでも全然温まるし。まぁ……お前が温めてくれてもいいんだぞ?

優菜:(笑う)

俊哉:……なんだよ

優菜:(笑いながら)ごめんごめん。いや~、本当に言われるもんなんだなって思ってさ

俊哉:何が?

優菜:さっきの俊哉の言葉

俊哉:俺の?

優菜:お前が温めてくれても~ってやつ。あれって、女の子が言われるとキュンとする言葉なんだって

俊哉:は?

優菜:いやいやいや、そんな目で私を見ないでよ。言ってんのは私じゃないんだから。このサイト!

俊哉:(パソコンを覗き込む)ん~? なになに? 『女性が男性に言われるとキュンとする台詞』?

優菜:そうそう

俊哉:あほらし

優菜:まぁね。でも、結構面白いよ? こんなこと日常じゃ絶対に言わんだろ~って言葉も書いてあるし

俊哉:例えば?

優菜:うんとね……あった、これとか、「よそ見してんじゃねーよ、お前の彼氏は俺だ」

俊哉:あぁ、それは……なかなか言わない言葉だな

優菜:でしょ? いったいどんな場面で言うんだって感じじゃない?

俊哉:確かに

優菜:現実でさ、道を歩いててこんな状況になることなんてまずないだろうし。仮に、アイドルとか芸能人相手に彼女がキャーキャー言ってても、それはまず好きの次元が違う話じゃない? そんな次元が違う話でで妬かれてもなって思うし

俊哉:確かにそうだわな。まぁ、でも

優菜:でも?

俊哉:好きな人の『好き』はどんな『好き』であっても、自分だけにあって欲しいって気持ちもわからんでもないけどな

優菜:あれ? 俊哉もこっち派?

俊哉:こっち派ってどっち派だよ? 俺はそう思うことはあったとしてもそんなこと言わねぇよ。好きな人に好きなものがあるっていいことだと思うし、ライクとラブの違いくらい傍にいたらわかるしな

優菜:おぉ、大人~。

俊哉:おい、馬鹿にしてんだろ?

優菜:そんなことないよ? あ、じゃあ、この告白台詞は? 「俺にはお前しかいないんだ」

俊哉:……いや、それって告白台詞?

優菜:告白台詞って書いてあるよ

俊哉:プロポーズじゃなくて?

優菜:うん、告白って書いてあるね

俊哉:重くね?

優菜:重いね

俊哉:プロポーズならまぁわからんでもないけど、告白には重いわな

優菜:そうだよね~。そもそも告白ってさ、ストレートに「好きだ、付き合ってくれ」でいいでしょって思う

俊哉:同意。回りくどいのは勘弁

優菜:俊哉はね~

俊哉:何だよ

優菜:うん? こういう、狙ってキュンキュンさせるのとかしなさそう。ってか、苦手そう

俊哉:……

優菜:俊哉?

俊哉:……ちょっとそのページ見せて

優菜:うん、いいよ~。(横にずれてパソコンの前を譲り)あ、そうだ、なんか飲む? お風呂上がりだし、お水とか? とりあえず、俊哉の好きな炭酸も買ってあるけど……

俊哉:(生返事で)うん

優菜:もう! 適当にもってくるね(立ち上がろうとして俊哉に腕をつかまれる)え?

俊哉:……行くなよ

優菜:え?

俊哉:行くなよ。俺の傍にろ

優菜:っ!

俊哉:どうしたんだよ。そんなに顔赤くして、かわいいな

優菜:と、俊哉?

俊哉:そうやって赤くなるのは俺の前だけにしとけよ? お前のそんなかわいい顔、他の男には見せたくない

優菜:ちょっ、急にどうしたの?

俊哉:お前のことがすげぇ大事だって言ってんの

優菜:は、はい

俊哉:ほら、とりあえず(優菜を引っ張る)

優菜:きゃっ!

俊哉:俺の腕の中でじっとしてろ。お前のこと、もう絶対に放さないから

優菜:……

俊哉:返事は?

優菜:えっと……

俊哉:言わねぇと、このままキスするぞ。まぁ、返事はイエス以外は認めないけどな

優菜:……

俊哉:ほら……(顔を近づけてささやく)早く言わねぇと本気でキス、するぞ?

優菜:……っ……

俊哉:(笑う)

優菜:え?

俊哉:いや~、見事なゆでだこだな

優菜:え?

俊哉:どうだった? キュンとした?

優菜:え? (意図に気が付き)あっ!

俊哉:まぁ、台詞単体だと使いどころがいまいち理解できないけど、要は単純にシチュエーションありきでの言葉ってことだな。って、なってくると更に使いどころが……

優菜:……なんなの……

俊哉:ん?

優菜:なんなのよ! 急にあんなこと言いだすとか!

俊哉:……お前が苦手そうとかいうから

優菜:え?

俊哉:俺だっていつもこういうこと思ってるんだよ! ただ単に、言わないだけだ

優菜:……えっと、それはつまり、苦手って言われて拗ねたってこと?

俊哉:……ふん……

優菜:かわいい

俊哉:は?

優菜:俊哉は、かっこいいだけじゃなくてかわいいんだね! えいっ!(俊哉に抱き着く)

俊哉:うわっ!

優菜:(微笑みながら)かわいいな~

俊哉:っ! うっさい! やめろ! 撫でるな!

優菜:やだ。やめない

俊哉:あぁ?

優菜:……私だって、いろいろ言われてめっちゃ恥ずかしかったんだから、俊哉だって恥ずかしくなれ!

俊哉:……おいおい……

優菜:あ、言っとくけど、さっきの台詞、別にああやって言われたから恥ずかしくなったわけじゃないからね!

俊哉:え?

優菜:俊哉だったからめちゃくちゃ恥ずかしかったの!

俊哉:っ!

優菜:……あと嬉しかった……

俊哉:……本当に……

優菜:……なによ?

俊哉:優菜には敵わないよ



―幕―




2020.07.15 ボイコネにて投稿

2022.08.11 加筆修正・HP投稿

お借りしている画像サイト様:フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)

紅く色づく季節

こちらは紅山楓のシナリオを投稿しております。 ご使用の際は、『シナリオの使用について』をお読みくださいませ。 どうぞ、よろしくお願いいたします!

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