【詳細】
比率:男1:女1
日常・現代・ラブストーリー
時間:約10分
【あらすじ】
年上彼女と年下彼氏のお話。
なかなか忙しくて会えない二人。
久々に会えたのに彼女はかまってくれなくて……
【登場人物】
竜也:(りゅうや)
年下の彼氏。
京香のことが大好きでまっすぐの想いをぶつける。
京香:(きょうか)
年上の彼女。
竜也のことを大切に思っている。
●竜也の家
リビングでパソコン作業をしている京香。
鍵を開け、竜也が帰ってくる。
竜也:ただいま~
京香:(パソコンから顔を上げすに)おかえり~
竜也:えっ、京香さん! 今日来てくれたんだ!
京香:(パソコンを見ながら)うん
竜也:それなら連絡くれたらよかったのに!
京香:(パソコンを見ながら)ごめん
竜也:ううん、大丈夫! そしたら早く帰って来たのにってだけだから!
京香:(パソコンを見ながら)ありがとう。今日は移動時間確保できたから
竜也:締め切り近いって言ってたもんね
京香:(パソコンを見ながら)うん
竜也:どう? 大丈夫そう? 終わりそう?
京香:(パソコンを見ながら)……うん、もうちょっとかな
竜也:そっか! よかった!
京香:(パソコンを見ながら)うん
竜也:ねぇねぇ、京香さん。その締め切り終わったらちょっとはゆっくりできる?
京香:(パソコンを見ながら)そうだね
竜也:やった! 俺ね、京香さんと行きたいところあるんだ!
京香:(パソコンを見ながら)そっか……
竜也:うん!
京香:(パソコンを見ながら)……
竜也:……京香さん……
京香:(パソコンを見ながら)ん? 何?
竜也:抱き着いてもいい?
京香:(パソコンを見ながら)ダメ
竜也:キスしてもいい?
京香:(パソコンを見ながら)ダメ
竜也:……久しぶりに会えたのに……
京香:(パソコンを見ながら)まだ、仕事終わってないから。終わったらでいい?
竜也:……うん、わかった。俺、着替えてくるね
京香:(パソコンを見ながら)うん
●竜也の寝室
部屋に入り、静かにドアを閉める
竜也:……せっかく会えたのに、冷たい……そりゃ、仕事中なのはわかってるけど、わかってるけどさ
そこにいられたら、抱き締めたくなるじゃん。触りたくなるじゃん。キスだってしたくなるじゃんか
やっと会えたのに、お預けとか……なんなんだよ!
(脱いだワイシャツをベットにたたきつける)……俺だけなのかな。俺がお子様だからなのかな?
京香さんはぎゅーってしなくても、キスしなくても平気なのかな……
あぁ、ダメだ、暗い気持ちにしかならない。せっかく、京香さんが来てくれてるのに……
(ベットに倒れこむ)京香さん……泣きそう……
京香:竜也君、終わったよ……って、どうしたの?
竜也:きょ、京香さん!(背を向ける)
京香:どうした? 具合悪い?(ベットに座る)
竜也:ううん、大丈夫!
京香:本当に? ならいいんだけど……
竜也:ねぇ、京香さん
京香:ん?
竜也:俺って子どもなのかな?
京香:え?
竜也:俺……ううん、なんでもない……
京香:竜也君、聞かせて
竜也:え?
京香:なんでもなくないでしょ?
竜也:……
京香:竜也君が今思ってること聞かせてほしいな
竜也:っ!(座っている京香の腰の部分に抱き着く)
京香:竜也君?
竜也:このままっ! このままで聞いて……
京香:うん、わかった
竜也:……俺、京香さんと会えなくてすっごく寂しかったの
京香:うん(竜也の頭をなでなる)
竜也:それなのに、久々に会えたのに、京香さん、俺のこと一回も見てくれなくて、ぎゅーもキスもさせてくれなくて
京香:そっか、ごめんね
竜也:ううん、京香さんは悪くない。締め切りで忙しい中、俺に会いに来てくれただけでもありがとうって言わなきゃいけないのに……俺が子どもで……ごめんなさい……
京香:竜也君が謝る事じゃないでしょ?
竜也:ううん…俺が子どもだから……大人の男だったらもっと大人な対応が出来て、京香さんの支えにもなれるのに……
京香:私は、竜也君に支えてもらってるよ
竜也:そんなことない! 俺はいつも甘えてばっかりで……
京香:(苦笑して)そっか、私、勘違いさせちゃったんだね
竜也:え?
京香:ねぇ、笑わないで聞いてくれる?
竜也:うん
京香:さっき竜也君が帰ってきてくれた時、顔をあげなかったのはね。私が嬉しくなって仕事投げだしてでも竜也君のこと抱き締めにいっちゃいそうだったから
竜也:え?
京香:キスもぎゅーもされちゃったら、いっぱいほしくなっちゃうから
竜也:(勢いよく顔を上げる)嘘!
京香:ほんとだよ
竜也:だって……京香さんは大人で……
京香:私は大人なんかじゃないよ。年齢は竜也君よりお姉さんだけど、中身は子どもで自分の欲求を抑えられないの
竜也:そんなこと!
京香:あるんだよ。(竜也の頬の涙の痕を見て)ごめんね、泣かせちゃったね……
竜也:あっ、違っ! これは!
京香:違くないでしょ? ごめんね、寂しい思いさせちゃって
竜也:……京香さん……
京香:なに?
竜也:……俺、すっごく寂しかったです
京香:うん、ごめんね
竜也:だから、いっぱいぎゅーしてください
京香:うん、わかった。ぎゅー。(竜也を抱きしめる)
竜也:(嬉しそうに微笑んで)あったかい。京香さんの優しい匂いがする
京香:そう?
竜也:うん。ねぇ、京香さん、もうお仕事終わったんだよね?
京香:うん、終わったよ
竜也:じゃあ、これからは俺との時間?
京香:そうだよ
竜也:やった。じゃあ、いっぱいわがまま言ってもいい?
京香:いいよ。でも、今日はもう遅いから叶えられる範囲でね
竜也:うん! 俺、久々に京香さんのご飯食べたい
京香:いいよ、作る。何が食べたい?
竜也:う~ん……京香さんは何が食べたい?
京香:(優しく微笑んで)竜也君の好きなものがいいな
竜也:俺も、京香さんの好きなやつがいい!
京香:じゃあ、後で冷蔵庫見ながら決めようか
竜也:うん! それで、ご飯食べ終わったら、一緒に映画観たい
京香:わかった。この前観たいって言ってたの探そう
竜也:うん! 観終わったら、一緒に寝て、明日の朝起きたら京香さんに「おはよう」って言ってもらいたい
京香:もちろん。明日はゆっくりしよう
竜也:いいの!
京香:うん。原稿仕上げたから、明日はお休み
竜也:やった! あ、それから……
京香:もう、まだあるの?
竜也:うん、これが一番大事なんだ
京香:なに?
竜也:こんな俺ですけど、ずっと一緒にいてください、京香さん
―幕―
2020.08.20 ボイコネにて投稿
2022.08.18 加筆修正・HP投稿
お借りしている画像サイト様:フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)
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