【詳細】
比率:男1
現代・ラブストーリー
時間:約3分
【あらすじ】
11月23日。
仕事帰りの史也は奥さんへのプレゼントを持って家へと急ぎます。
史也が急いでいる理由とは……
*こちらは、『いい夫妻の日の昼』の対のシナリオとなっております。
こちらだけでもお使いいただけます。
【登場人物】
史也:(ふみや)
20代。
休日出勤してきた会社員。
今日という日を奥様が楽しみにしていることを知っている。
●夕方・商店街
会社帰りの史也が少し急ぎ足で歩いている。
手には一本のワインとタルトケーキ。
史也:
「さぁ、今日買いたいものも買ったし、急いで家に帰ろう」
僕たちの特別な記念日ってわけじゃないけれど、今日は十一月二十三日だ
『いい夫妻の日』
イベントごとにそんなに興味のない僕の奥さんが朝からちょっとソワソワしていた
きっと、今日という日の語呂合わせを知っているのだ
言葉には出さないけど長年付き合ってきた僕の勘がそう言っている
「冷蔵庫に僕の好きな白ワインが入ってたし、キッチンにちょっとだけ重めの赤ワインもあったしね」
料理が得意な僕の奥さんは何か特別なことがあると僕の好きなワインに合わせておいしい手料理を作ってくれる
とても美味しくて彼女の愛情がいっぱい入っている素敵な料理
その料理を食べられるなんて僕は本当に幸せ者だ
そう思うだけで心がポカポカしてくる
きっとこれは彼女が僕のことをいっぱい思ってくれているから
僕はこんなにも彼女からいっぱいの愛をもらっている
僕はそれと同じだけ愛情をお返しできているだろうか?
たまにそう思ってしまうことがある
彼女のことが本当に大切で愛しているから
「(微笑んで)だから、今日みたいな日ってありがたいよね」
『いい夫妻の日』
それにかこつけるわけではないけど、今日はいっぱい彼女に愛を伝えようと思う
それこそ、彼女が顔を赤くして、「もういいから!」って怒ってしまうくらいまで
だって、それくらいしないと足りないから
「今日はお酒とデザートもあるし、いつもよりも素直になれたりするかな」
僕の手には今日のために数日前に予約した、さっぱりめのフルーツタルトとちょっぴり甘めのデザートワイン
両方とも彼女が好きなものだ
今日は『勤労感謝の日』でもある
いつも頑張ってくれている彼女にちょっとしたプレゼント
もちろん、この二つの他にももう一個鞄の中に入っているけど
これは彼女が眠ってからそっとつけてあげるって決めている
「(苦笑して)男の独占欲だよな」
自分の考えに苦笑がもれる
でも、きっと彼女なら照れながら許してくれるってわかってる
もしかしたら、ちょっと怒られるかもだけど
「ちゃんと言葉にしてよ!」って
「そんな君もかわいいんだよね」
さぁ、急いで家に帰ろう。君の待ってくれている、暖かい家に
―幕―
2020.11.23 ボイコネにて投稿
2022.09.15 加筆修正・HP投稿
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