【詳細】
比率:男1・女1
現代・ラブストーリー
時間:約10分
【あらすじ】
深夜。
彼女から「酔っ払った」と連絡をもらい迎えに行った俊。
いつもは酔っ払うまで飲まないのに今日は酔っ払っている泉に違和感を覚える。
「いつものあなた」って何だろう……
【登場人物】
泉:(いずみ)
20代。俊の彼女。
いつもは面倒見がよくて解放に回ることが多い。
外では甘えられなくてツンケンしてしまうこともしばしば。
俊:(すぐる)
20代。泉の彼氏。
なんだかんだで面倒見がいい人。
外でイチャつくのは抵抗がある。
●夜の帰り道
酔っぱらった泉を支えて歩く俊。
泉:だから、私は酔っぱらってないの~!
俊:はいはい。それ、さっきから何回も聞いてるから。大人しく歩け
泉:だから、酔ってないの~!
俊:そう言う奴は大体酔っぱらってんだよ!
泉:酔ってない!
俊:あぁ、もう、わかったから。もう結構いい時間なんだからそんな大声出すなっての
泉:だって、すぐちゃんが私の言うこと信じてくれないから!
俊:っ! 家の外でその呼び方はやめろって
泉:ん? あれ~? すぐちゃんって呼ばれるの、恥ずかしいの?
俊:……
泉:すぐちゃんは可愛いな~
俊:あぁ、もう置いてくぞ!
泉:嫌だ!
俊:(ため息)なんだって、今日はこんなに飲んだんだよ……
泉:明日、休みだから!
俊:それでも、いつもの泉ならこんなになるまで飲んだりしないだろ?
泉:今日は楽しかったから!
俊:本当に。いつもの泉らしくないぞ?
泉:……
俊:泉?
泉:……いつもの私って何?
俊:え?
泉:いつもの私ってどんななの?
俊:いつもの泉はいつもの泉だろ?
泉:……
俊:泉? 本当にどうしたんだよ?
泉:(俊からスッと離れて)……帰る……
俊:……
泉:一人で帰る!
勢いよく一歩を踏み出そうとするが、足がもつれてしまい転びそうになる。
それを受け止める俊。
俊:っと! あっぶね
泉:……
俊:酔ってるんだから急に動いたらそうなるだろ。大丈夫か?
泉:……
俊:歩けるか? 足、ひねってたりしないか?
泉:……うん……
俊:じゃあ、ちょっとそこの公園で休憩してから帰ろう
泉:え?
俊:もう少し泉の酔い覚ましてから送ってく
泉:……でも……
俊:今更迷惑かけてるとか思ったの?
泉:……
俊:いいから、行くぞ。そのまま家にお前を帰す方が俺としては心配だし、迷惑
泉:……はい……
俊:よし。(泉の手を握って)ほれ、行くぞ
泉:……うん……
●夜の公園
ベンチに座る泉と俊。
俊:とりあえず、ほれ、水
泉:……ありがとう……
俊:本当は常温の水の方がいいんだけど、ここは自販機しかないからさ。ゆっくり飲んどけ
泉:うん……(水を飲む)……ふぅ……
俊:それで?
泉:え?
俊:なんでこんなになるまで飲んだの?
泉:……なんとなく、その場の雰囲気にのまれて……
俊:嘘
泉:え?
俊:泉はいつも倒れた人間の介抱に回る側だろ? そんな泉が場の雰囲気で飲まれるわけない
泉:な、なんとなく
俊:……
泉:俊?
俊:……本当に、なんとなく飲んだの?
泉:そ、そうだよ
俊:ふ~ん……
泉:ど、どうしたの? 目、怖いよ?
俊:泉は「なんとなく」でそんな風に酔っぱらって、可愛い姿を人前で晒したんだ?
泉:はぁ? か、可愛くなんてないから
俊:……自分の可愛さに気が付いてないとか、いろいろ手に負えないんだけど
泉:す、俊?
俊:……外でこういうことするの嫌だったんだけど、もういい
泉:え?
俊:今回は泉が悪い
俊、泉を強く抱きしめる。
泉:え? ちょっ、俊?
俊:(耳元で低く)何?
泉:ど、どうしたの? いつもの俊らしくないよ?
俊:……いつもの俺ってなに?
泉:え?
俊:さっき泉が黙った理由わかった。いつもらしくないって言われるとなんかイラっとするな
泉:……
俊:さっきの、俺が悪かったごめん
泉:……俊……
俊:でも、自分でもどうしたらいいか分からないくらいイラっとしたんだよ
泉:え?
俊:泉が「なんとなく」で酔っぱらって、こんな可愛い顔とか声とか他の奴らに見せたのかって思うと、いらつきが止まらなくて
泉:……ごめん……
俊:いや、俺が悪い。(ため息)嫉妬してイラついて彼女に当たるとか……本当にダサいな……
俊、泉をそっと離して頭を撫でる。
泉:あっ……
俊:ごめん、泉
泉:ううん。私の方こそ、ごめんなさい
俊:ん?
泉:俊に嫌な思いをさせちゃって……
俊:いいよ
泉:……本当はね、不安だったの……
俊:泉?
泉:今日の飲み会、本当に楽しかったんだけど、途中からカレカノ話になって。みんなから、私たちって本当に付き合ってるのかとか、友だちにしか見えないとかいろいろ言われて……みんなも悪意があったわけじゃないと思うし、きっと冗談だったんだってわかってるんだけど……いろんな人からいっきに言われると、あぁ、私ってダメなのかなって思っちゃって……それで、お酒に逃げたの……
俊:……泉……
泉:……可愛くない彼女でごめんね
俊:……馬鹿だな……
泉:え?
俊:俺はそのまんまのお前を好きになったの。素直じゃないところも、人前じゃ甘えてこないところも全部ひっくるめて泉が好きんだ
泉:(自然と我慢していた涙がこぼれてきて)……すぐ……る……
俊:あぁ、もう、泣くなよ
泉:違っ! これはお酒のせいで……
俊:(優しく苦笑して)そういうことにしといてやる
泉:……そうだもん……
俊:そうだな。なぁ、泉
泉:なに?
俊:もう一回抱きしめてもいい?
泉:え?
俊:今度は優しく抱きしめたい
泉:こ、ここ、外だよ?
俊:知ってる
泉:俊、外でいちゃつくの嫌いじゃん
俊:そうだな。俺だけに見せてくれる泉を他の奴らに見せたくないからな。でも、今は幸いにも夜、しかも深夜だ。誰も見てない
泉:…しい……
俊:ん?
泉:……ぎゅーじゃなくて、キスしてほしい……
俊:っ! それ、反則……
泉:ご、ごめん! 忘れて!
俊:(遮って)いいよ
泉:え?
俊:俺から、ぎゅーってするから、泉からキスしてよ
泉:そ、それは!
俊:ほら
俊、泉を優しく抱きしめる。
泉:す、俊!
俊:泉、好きだよ。泉が不安になったら何度だって言う。だから、もうこんなお酒の飲み方は禁止
泉:……うん。俊、私も俊のことが大好きだよ
泉、俊にそっとキスをする。
―幕―
2021.07.20 ボイコネにて投稿
2022.09.30 加筆修正・HP投稿
お借りしている画像サイト様:フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)
Special Thanks:芥子菜ジパ子様
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