【詳細】
比率:女1
現代・ラブストーリー
時間:約5分
【あらすじ】
夕方。
カフェの窓際の席。
貴女は一人で愛しい人を待っています。
こちらのシナリオは、『君からの挑戦状』の女性視点のシナリオです。
【登場人物】
私:旦那さんのことが大好きな奥さん。
一人称、二人称の変更可能です。
●夕方。カフェの窓際の席
窓から外を眺める貴女。
私:
「もうそろそろ、家に着いて手紙を読んでくれてるところかな?」
私の夫は本当に自分のことに無頓着だ。それはもうびっくりするくらいに……
会社の人の誕生日やちょっとした記念日はちゃんと覚えてるいのに、自分の誕生日は毎年決まって忘れる
それだけ周りのことを大事に出来る素敵な人だってことなんだってわかるけど……
「自分のこともちょっとは気にかけてほしいんだよね」
昨日の夜の様子からしても、絶対に今年も忘れてる……
だから、今年はちょっとしたサプライズを仕掛けてみた
他の夫婦だったら、『めんどくさい』って思われてしまいそうなサプライズだけど、きっと彼と私の関係なら苦笑しながらも受け取ってくれる
「これくらいのことをしたら、少しは自分の誕生日覚えてくれるでしょ!
(少し苦笑して)まぁ、あの人が覚えてなくても私がちゃんと覚えてるから、いいっちゃいいんだけどね」
私がしたサプライズ。それはちょっと前に流行った脱出ゲームみたいなもの
玄関から始まり、リビング、寝室、ベランダに指令書みたいに手紙を置いてきた
ちょっとした思い出話とか私の気持ちも一緒に書いて
最後にはこのお店に辿り着くように
「……ちゃんと謎解き出来てるかな?」
少しだけ不安になる
大丈夫だろうって思っていてもやっぱり仕掛けた側としては心配になるのだ
「きっと大丈夫なはず!
ベランダの手紙は絶対に飛ばないようにしてきたし、他のもちゃんとわかりやすいところに置いてきたはずだし!
でも……」
最後のこの場所はちゃんとわかるだろうか
あえて店の名前は言わずに思い出の場所とだけ書いてきた
私たちの大切な思い出の場所
このカフェで私たちは出会った
そして、彼からのプロポーズを受けたのもこのお店のこの窓際の席
私たちにとっての大切な場所
「(苦笑して)まあ、わからなかったらきっと連絡はくれるよね」
今日は特別な日だから、マスターにお願いしてこの時間のこの席を確保してもらい、小さな二人でも食べきれるくらいのバースデーケーキを用意してもらった
マスターの奥様の手作りのバースデーケーキ
絶対においしいものに決まっている
お酒があまり得意ではない私たちのために、マスターは特製ブレンドのコーヒーを淹れてくれている
「さぁ、後は君がここに来てくれるのを待つだけだぞ」
ちょっと大変なサプライズを仕掛けた張本人がいうのもあれだけど、彼に早く来てほしくてたまらない
ドアが開くベルの音がする度に入り口の方を見てしまう
「……早く来てくれないかな……」
毎日一緒にいるのに、今すごく会いたくてたまらない
胸がきゅっと締め付けられて、心地が良いような切ないような、そんな複雑な気持ちになる
次に店のドアのベルが鳴った時、振り向いたらそこに彼はいてくれるのだろうか
いてほしいって思うけど……
「でも、この気持ちをもうちょっとだけ感じるのも悪くない……かな?」
そうしたら、次に君に会えた時にさらに君のことが愛おしくなる
そんな予感がするから
―幕―
2021.03.25 ボイコネにて投稿
2022.11.29 加筆修正・HP投稿
お借りしている画像サイト様:フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)
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